妻にこう言われた。
「けんは投資できないんだよ。そういう人なんだよ。別にいいんだよ」
怒りはなかった。でもなんか悔しかった。
1. なかなか踏み出せなかった理由
FXで失敗した。15万円の損失で撤退した。
個別株も買ったことがある。株主優待が欲しくて買った銘柄が、乱高下した。そういう経験もあった。
要するに、投資で痛い目を見ていた。
だから積立インデックスへの一歩が踏み出せなかった。頭ではわかっていた。長期・積立・分散。リスクが低い。理屈はわかる。
でも体が動かなかった。
1円たりとも損したくない。そういう男だった。
2. 妻の一言
いつまで経っても積立を始められない俺に、妻が言った。
「けんは投資できないんだよ。そういう人なんだよ。別にいいんだよ」
怒りはなかった。責めているわけでもなかった。ただ事実として言っていた。
でもなんか悔しかった。
世の中には、普通に投資をやっている人種がいる。特別な人じゃない。普通の人が、普通にやっている。
だったら、そっち側に行ってみる経験をしてみてもいいんじゃないか。
貯金は1000万近くあった。1万円の積立設定をしてみればいいじゃないか。
そう思って、ボタンを押した。
3. 始めてみたら、大して動かなかった
初めてのインデックス投資だった。
eMAXIS Slim S&P500。アメリカ株のインデックスファンドだ。
正直、アメリカ株がどういうものかよくわかっていなかった。なんとなく「アメリカだから強そう」という感覚で選んだ。
積立設定をして、しばらく経った。
大して値が動かなかった。
「あれ、思ったより怖くないな」という感覚もなかった。ただ、何も起きなかった。
そのうち忘れた。
4. 気づいたら増えていた
忘れていたある日、口座を確認した。
増えていた。
大きくはない。でも確かに増えていた。
「ああ、こういうものか」と思った。派手に動くわけじゃない。じわじわ増える。それだけだ。
妻に報告した。
「始めたよ」
妻は特に何も言わなかった。
5. そこから家族全員に広がった
少し慣れてきて、少し増えてきた頃、妻のつみたてNISAを始めた。
次に娘のジュニアNISAを始めた。
今では家族4人、それぞれ証券口座を持っている。俺が楽天証券、妻がSBI、娘がマネックス、息子が楽天。毎月積み立てている。
あの日、妻に「できないんだよ」と言われて悔しくて押したボタンが、ここまで広がった。
気づいたら投資にとりつかれていた。当時はつみたてNISAで年間40万円しか積み立てられなかった。それが悔しくて、妻の分、娘の分、家族全員の枠を埋めようと張り切った。俺が勝手に張り切っていただけだ。妻は別に積極的でもなかった。
6. 1円も損したくなかった男の今
あの頃の俺に言いたい。
1万円の積立は、そんなに怖くない。
大して動かない。忘れるくらい動かない。でも気づいたら増えている。
1円も損したくなかった男が、今ではコロナ暴落で800万を一気に投資できるようになった。
人は変わる。慣れれば変わる。
最初の一歩は、1万円でいい。怖くて当たり前だ。俺も怖かった。
でもボタンを押さないと、何も始まらない。
妻に「できないんだよ」と言われるまで、ずっと押せなかった。
勘違いかもしれないが——あの一言が、今の資産を作った気がしている。
まとめ
- FX失敗・個別株失敗で、積立投資のボタンが押せなかった
- 妻に「けんは投資できないんだよ、そういう人なんだよ」と言われた
- 悔しくてボタンを押した。1万円の積立設定をした
- 始めてみたら大して動かなかった。そのうち忘れた
- 気づいたら増えていた
- 投資にとりつかれて、俺が勝手に家族全員分の口座を作った
- 1円も損したくなかった男が、800万を一気に投資できるようになった
ボタンを押さないと、何も始まらない。それだけだ。
※投資にはリスクが伴います。将来の運用成果を保証するものではありません。投資は自己責任でお願いします。
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