新卒で入った会社に25年いる。

転職したくなかったわけじゃない。結婚が早かったから安定が必要だった。ノート部長のおかげで早く昇進できたから給料もそこそこ良かった。会社はホワイトだった。

気づいたら25年経っていた。


転職しなかった本当の理由

若い頃は転職を考えたこともあった。

「もっと給料のいい会社に行きたい」「ここにいても成長できないんじゃないか」という気持ちは、20代の頃に何度かあった。

でも結婚して、子どもができて、「守るもの」が増えた。フラフラできなかった。安定している会社を捨てる勇気がなかった。

「もう少し待てば状況が変わるかもしれない」と思っているうちに、10年経ち、20年経ち、25年経った。

悪い選択じゃなかったと思う。今も思う。


でも今が、25年で一番辞めたい

転職を本気で考えた時期は何度かあった。

でも今が一番辞めたいと思っている。


資産が増えたら、職場の見え方が変わった

課長がアホに見える。

以前は気にならなかった。指示に従って、適当に仕事をこなしていた。それでよかった。

でも資産が5000万円を超えた頃から、見え方が変わった。「なんでこの人の言うことを聞かなければいけないのか」という感覚が出てきた。会議のくだらなさが前より目につく。

「なんで俺ここにいるんだろう」と思う瞬間が増えた。

知ってしまったのだ。辞められる可能性があることを。


金はあるけど、給料は下がる

辞めない理由もわかっている。

資産は5000万円ある。でも今の給料を捨てたら、転職市場での俺の評価は下がる。今もらっている給料は、このスキルと年齢では他ではなかなか取れない。

一億円への道が遠くなる。

コスパで考えると、辞めない方がいい。頭ではわかっている。

でも課長はアホだ。

この二つが、俺の中で毎日戦っている。コスパが勝ったり、アホさが勝ったりしながら、今日も出社している。


25年居続けた男の結論

転職しなかった25年は正解だったと思う。

資産が積み上がった。昇進もできた。ノート部長のおかげで同期より早く主任になれた。その積み重ねが今の年収につながっている。

あの頃の判断は間違っていなかった。

でも今この瞬間だけは、25年で一番辞めたい。


一億円貯まったら、その時考える

一億円貯まったら、その時考える。

それまでは、課長がアホでも出社する。資産が俺を引き留めている、という逆説的な状況だ。

金があるから辞められない。金があるから辞める選択肢もある。その両方が同時に存在している。

かったるいけど、今日も行く。

あと何年の話だろうか。